フィルム人

フィルム写真とフィルムカメラを愛する人のためのブログ

第10回 LOMO LC-A+というカメラ

初めて手にしたフィルムカメラはリコーのGRとか宣うていましたが、実はそれ以前にLOMO LC-A+を購入していたのでした。

ご存知トイカメラの王様LOMOです。

本来LOMOは会社名でありカメラの一機種を呼称するのは相応しくはないのですが、LC-A, LC-A+が人気過ぎて、それらを指してLOMOと呼ぶことが多いです。

LOMOはもともとはレニングラード光学機器というソビエト(現ロシア)のメーカーの略称なのですが、そのLOMOが販売していたLC-Aの生産中止にあたって、そのヘビーユーザーたちが立ち上げた会社がLomographyであり、現在のLOMOになるのです(正確に言うとレニングラードの方も現在するので、写真界隈でLOMOといったらLomographyのことを指すということですね)。

そのLC-Aの後継機がLC-A+になるわけですが、普通に使う分には大差なかったはずです。

使い方は簡単。フィルムを入れて巻き上げ、感度を合わせ、レンズカバーを開けたら準備オーケー。写すのは距離目盛を合わせシャッターボタンを押すだけ。

写すのは簡単だけど、うまく写るかはまた別なのが難しいところ。初めはピント調節が目測なところにとまどうこともあるかもしれません。そんな時は、“Don’t Think, Just Shoot”(考えるな、とにかく撮れ!)というLOMOのモットーにのっとり失敗をおそれず撮っていくと意外な傑作が生まれると思います。

レンズの描写ですが、周辺部は流れますが、中心部の解像感は高いです。ただ、現代的なレンズのシャープさとは違い、フィルムの粒子のつぶつぶを一つ一つしっかり描写するといった感じです。そのおかげで妙にリアリティのある写りになります。

色味は褪せた感じで、周辺光量落ちもあいまって懐かしい雰囲気、思い出感たっぷりな写真になります。

もしLOMOを使う機会があったならば、ポパイカメラなどプリントの色味や雰囲気を指定できる写真屋さんに注文することをオススメします。町の一般的な写真屋さんだと自動補正によってLOMOの写りの良いところが消されてしまいますからね。

トイカメラの写りを楽しみたい人、デジタルの写りとは真逆な写りを楽しみたい人におすすめの一台です。