フィルム人

フィルム写真とフィルムカメラを愛する人のためのブログ

第5回 Kyocera T proof

プラスチック製のチープなたたずまいのカメラも、時が一周回ってかわいく見えたりもするものです。ずんぐりむっくりの図体を手のひらで転がしていたい、そんな気持ちにさせてくれるカメラです。

Carl ZeissのTessarレンズが搭載されているだけあって思いの外写りはシャープです。

最短撮影距離は35cmで、スペック上は兄貴分のCONTAX T2を上回ります。

ただAFがくせもので、高い頻度でピントを外します。最短撮影距離も宝の持ち腐れ、ピントが合ったときはラッキーと思いましょう。

軽くて外観も気取ったカメラではなく気軽に持ち出しやすいので、このカメラほど常に持ち歩いて撮影していたカメラはありませんでした。どんなにいいカメラでも持っていなければ写真は撮れません。

T proofはたくさんのお気に入り写真を残してくれました。

けれどもCONTAX T2を手にした今、写真を撮り比べると残念ながら写りの差は歴然。この2機種に関しては、値段の差は写りの差です。

でも写りだけでカメラの価値が決まるわけではないし、写りが写真の良し悪しを決めるわけではありません。

すでに手放してしまったけどれどもT proofはお気に入りの一台でした。