フィルム人

フィルム写真とフィルムカメラを愛する人のためのブログ

第16回 Canon FD 50mm F1.8というレンズ

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Canon FD 50mm F1.8というレンズは、某中古カメラの催事にてジャンク品として購入したのでした。

お値段なんと3000円。

販売店としては、正規品として売るにはメンテナンスする必要があって、メンテナンス費用を値段に含めると、このレンズとしては買い手が付かない値段となってしまうので、ジャンク品としているとのことでした。

ということでどうやら壊れているといことではないようで買って使ってみると普通に使えたのでした。

 

焦点距離50mmは大好きな画角で、CONTAXのPlanar 50mm F1.4とかも所有しているのですけど、写した写真を見てみるとどうもこのFD 50mm F1.8で撮った写真の方が気に入った作品が多い気がするのです。

"打点"の高いレンズなんですね、僕にとっては。

 

写りは、くっきり写るレンズですね。

単焦点のコンパクトカメラで撮った写真と比べても明らかに違う。"格"の違いを見せてくれます。

50mm F1.8というレンズは、後年のEOSシリーズにも継承されるわけですが、安くてもよく写る、キヤノンの真骨頂、良心が垣間見られるレンズではないでしょうか。

高いレンズももちろん良いけど、こういうレンズから始めてみるのも良いですよ。

 

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第15回 コニカ 現場監督28HGというカメラ

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2017年の現在、フィルムカメラユーザーから最も熱い視線を注がれてる写真店「カメラはスズキ」さん。

中古カメラも幾らか扱っていて、このコニカ現場監督28HGもカメスズさんで手に入れたのでした。

コニカというとBIG miniが良く写るカメラとして名高い評判を得ていますので、この現場監督の写りにも期待してしまいます。

 

この現場監督というカメラはその名の通り、工事現場での撮影のために作られたカメラで、落下させても壊れにくい頑丈なボディ、水に濡れても安心な防塵防滴構造と工事現場に求められる性能を持っております。

 

特にこの28HGという機種は、夜間の工事現場でも撮影できるように、感度100のフィルムで光が10mまで届く大型フラッシュを内蔵しております。

あと最短撮影距離が40cmで、シリーズ最短であるのは嬉しいポイントですね。

 

グリップも大きく重さも比較的軽いので、とても持ちやすくスナップ撮影に最適なカメラです。

肝心の写りは、CONTAX T2一眼レフカメラのレンズとかにはかなわないけど、十分にシャープで、さすが単焦点レンズといった感じです。

オートフォーカスも速くて正確。

シャッターの切れ味も、電子的な感じだけれども、切れた!って感じで個人的には好みです。

 

無骨だけどかわいいカメラ、値段も比較的安価でネクス写ルンですにもオススメのカメラです。

 

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第14回 Canon Cannot QL17 G-IIIというカメラ

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The Mijonju Show - Canonet QL17 GIII キャノネットQL17 GIII

 

まあ、まず動画を見られし。

フィルムカメラコレクターのMijonju氏とsnap!マガジン編集長 鈴木さん激推しのカメラCanonet QL17 G-III、もうこの動画見たら欲しくなること間違い無いでしょう。

 

ブラックモデルが欲しくて、ヤフオクで美品を探しました。

モルトプレーンは劣化していたので自ら交換。

 5泊6日の台湾旅行に連れて行きました。

 

 ころっとした大きさで、デザインもかわいく持ってて嬉しくなるカメラですね。何気にG-IIIのバッチがお気に入り。

フィルムの巻き上げとかシャッターの切れ味とかは、同じレンジファインダーカメラのライカと比べるとやや安っぽい感じは値段相応といったところでしょうか。

 

露出は、マニュアルとシャッタースピード優先。

機械式シャッターなので電池がなくてもシャッターを切ることができます。電池が切れても、また将来的に露出計が壊れてしまってもカメラとしては機能するのは安心ですね。

ただ、普段絞り優先を使っているのでシャッタースピード優先はやや使いづらいところがありますね。

 

クイックローディングというフィルム装填機能が内蔵されていて、フィルムの装着が簡単に出来るので、初心者にも安心。

通常パトローネから出したフィルムの先端をカメラの巻き上げ軸のスプールに差し込む必要があるのですが、クイックローディングの場合はフィルムを軸の上に乗せて裏蓋閉めて巻き上げるだけでOKなのでフィルム装着の失敗がありません。

 

そして、このカメラの最大の特徴は、40mm F1.7というレンズ。画角もスナップ撮影に最適で、そして何よりも明るい。

ピントが来た面はしっかりシャープで、ボケ味は美しい。プアマンズライカ(貧乏人のライカ)と呼ばれるのも納得です。

 

唯一の泣き所は、ファインダーの二重像が見辛いこと。元々こんなものなのか、経年劣化によって見づらくなってしまっているのかわかりませんが、暗いところでは、ほぼ見えないので目測で距離目盛を合わせるって感じです。

まあ、それで大抵撮れてしまいますけどね。

 

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第13回 OLYMPUS μ Panoramaというカメラ

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CONTAX T2というカメラは確かにいいけれども、これからフィルム写真を始めようという人には、その値段が大きな敷居となると思うのです。

 

比較的安価でもよく写るカメラを探すっていうのも面白いもので、今回その程でOLYMPUS μ Panoramaを手に入れてみました。

 

このカメラは初代OLYMPUS μにパノラマ撮影機能が追加されたもので、パノラマ機能以外は外観、仕様上違いはありません。

レンズは写りに定評のある35mm f3.5の単焦点レンズ。もう半段ほど明るいと撮影領域も広がるところですが、ここは価格相応といったところでしょう。

 

なんといってその特徴は、OLYMPUS XAシリーズから続くカプセル形状であること。スライドカバーを開けばレンズが露出するとともに電源が入り撮影可能状態となります。ケースレスで運用できるので速写性に富んでいます。その分、中古品はボディーにスレキズがあるものが多いですね。全くの美品はあまり見かけません。

 

写りはシャープ。よく写るというのがぴったりな表現だと思います。色味はニュートラルな感じです。ガラス越しの撮影はガラス表面にピントが合うので、ガラス越し、鏡を撮影するときは注意が必要です。絞りはF3.5なので暗いところでは積極的にフラッシュをたきたいところです。フラッシュ制御も適切なのでフラッシュ光も嫌な感じではないです。

 

一つ残念なのは、パノラマ機能が付いているゆえ、ファインダーにパノラマ枠があり、それが煩わしいといったところでしょうか。

ああ、後もう一つ。フラッシュモードが記憶できないので、電源を一度落とすとフラッシュモードがオートに戻っちゃうところですね。再びノンフラッシュで撮りたいときは、フラッシュモードボタンを複数回押す必要があります。

 

価格も手頃で、使いやすく写りも良い。写ルンですを卒業して次に買うのにおすすめしたいカメラの一つです。

 

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第12回 Canon EOS630というカメラ

今回紹介するのは、デジタルもやっているけれどフィルムカメラもやってみたい人におすすめしたい一台、Canon EOS630です。

わたくし、デジタルはCanon EOSユーザーでして、交換レンズをいくつか所有しております。それらのレンズを使えれば初期投資を抑えてフィルム一眼レフを楽しめるのではないかと思い、かねてからお手頃なフィルムEOSを探しておりました。

そんな折、某中古カメラの催事のジャンクコーナーにて540円で売られるEOS630を見つけたのです。もともと初期EOSの600系の直線的なデザインが好みでして、しかも未使用品で可動品と思われたので購入してしまいました。

電池を入れ、レンズを装着しシャッターを切ったところ問題なく動きました。所有するEFレンズ3本、タムロンのレンズ1本も問題なく動作することが確認できました。30年前の機体で最新のレンズが動くって改めて考えるとすごいことですよね。

フォーカスポイントは1点と時代の古さを感じます。少し暗いところではピントが合わないこともあります。

それ以外の部分は必要にして十分。

普段はマニュアルフォーカス機を使うのですが、一点であってもオートでピントを合わせられるのは本当に快適。デジタルのEOSユーザーに限られますが、手軽に始められるフィルムカメラとして大変おすすめなカメラです。

そうそう2,3カ月前のことですが、横浜のカメラはスズキと日暮里の三葉堂寫眞機店に行ってきました。

フィルムカメラユーザーが今熱い視線を送る写真屋さんと中古カメラショップです。

三葉堂寫眞機店はもちろんのこと、カメラはスズキでも中古カメラを扱っているのですが、そのどちらの店でも、若い女子がフィルムカメラを買おうと店員さんにカメラの購入相談をしておりました。フィルムカメラブームが来ているようです。

第11回 CONTAX T2というカメラ ふたたび

相も変わらずCONTAX T2は肌身離さず持ち歩いていて、目に映る他愛もない景色たちをただただ写しています。

撮影した写真を見ていて、CONTAX T2のシャープさとは"すっきり明瞭な写り"という表現が相応しいと感じました。そして、時折、比較的近接にある被写体を撮ったときに、"こってりと芯のある写り"になるような気がします。

惜しむらくは値段の高いこと。どのフリマアプリでも高値安定。

デザイン、CONTAXブランド、ツァイスレンズの写り、これほど人気の要素を合わせ持ったカメラはないでしょうね。

CONTAX T2を使っていると、もっと手頃な値段で入手できて、写りの良いカメラを発掘できないかと気持ちが湧いてきたりもするのです。

プラカメラを収集して販売会なんてしたら面白いですよね。

第10回 LOMO LC-A+というカメラ

初めて手にしたフィルムカメラはリコーのGRとか宣うていましたが、実はそれ以前にLOMO LC-A+を購入していたのでした。

ご存知トイカメラの王様LOMOです。

本来LOMOは会社名でありカメラの一機種を呼称するのは相応しくはないのですが、LC-A, LC-A+が人気過ぎて、それらを指してLOMOと呼ぶことが多いです。

LOMOはもともとはレニングラード光学機器というソビエト(現ロシア)のメーカーの略称なのですが、そのLOMOが販売していたLC-Aの生産中止にあたって、そのヘビーユーザーたちが立ち上げた会社がLomographyであり、現在のLOMOになるのです(正確に言うとレニングラードの方も現在するので、写真界隈でLOMOといったらLomographyのことを指すということですね)。

そのLC-Aの後継機がLC-A+になるわけですが、普通に使う分には大差なかったはずです。

使い方は簡単。フィルムを入れて巻き上げ、感度を合わせ、レンズカバーを開けたら準備オーケー。写すのは距離目盛を合わせシャッターボタンを押すだけ。

写すのは簡単だけど、うまく写るかはまた別なのが難しいところ。初めはピント調節が目測なところにとまどうこともあるかもしれません。そんな時は、“Don’t Think, Just Shoot”(考えるな、とにかく撮れ!)というLOMOのモットーにのっとり失敗をおそれず撮っていくと意外な傑作が生まれると思います。

レンズの描写ですが、周辺部は流れますが、中心部の解像感は高いです。ただ、現代的なレンズのシャープさとは違い、フィルムの粒子のつぶつぶを一つ一つしっかり描写するといった感じです。そのおかげで妙にリアリティのある写りになります。

色味は褪せた感じで、周辺光量落ちもあいまって懐かしい雰囲気、思い出感たっぷりな写真になります。

もしLOMOを使う機会があったならば、ポパイカメラなどプリントの色味や雰囲気を指定できる写真屋さんに注文することをオススメします。町の一般的な写真屋さんだと自動補正によってLOMOの写りの良いところが消されてしまいますからね。

トイカメラの写りを楽しみたい人、デジタルの写りとは真逆な写りを楽しみたい人におすすめの一台です。